光造形 SLA

      光造形方式(SLA: Stereolithography) は、光硬化性樹脂(液体)を使用し、レーザー光で樹脂を硬化させて一層ずつ積み重ね、立体物を作る3Dプリンティング技術です。SLAは、3Dプリンティング技術の中でも非常に高い精度と滑らかな表面仕上げを特徴としています。

SLAのプロセス

  1. 光硬化性樹脂の準備: 液体状の光硬化性樹脂をプリンターのタンクに入れます。この樹脂は、特定の波長の光(通常は紫外線)に反応して硬化します。
  2. レーザー照射: レーザー光を樹脂の表面に照射し、デジタルモデルに基づいて特定の部分を硬化させます。これを層ごとに繰り返し行います。
  3. 積層: 硬化した層の上に新たな液体樹脂が流れ込み、次の層を硬化させます。このプロセスを繰り返して立体物が完成します。
  4. 後処理: 造形が完了した後、モデルを洗浄して未硬化の樹脂を除去し、さらに二次硬化(UV照射など)を行うことがあります。

SLAのメリット

  1. 高精度・高解像度: SLAは非常に高い精度で造形が可能で、細かなディテールや滑らかな表面を必要とするモデルの製作に最適です。他の3Dプリンティング技術に比べ、積層の跡が目立ちにくい点が特徴です。
  2. 滑らかな表面仕上げ: SLAで作られたオブジェクトは、積層痕が少なく、表面が非常に滑らかです。そのため、後処理が少ない状態でも美しい仕上がりが期待できます。
  3. 複雑な形状の再現: 光造形技術は、非常に複雑な形状や微細な部分を再現できるため、複雑なデザインを必要とするプロジェクトに適しています。
  4. 広範な材料の選択肢: 樹脂の種類に応じて、硬いものから柔らかいものまで、機能性や性質が異なる材料を選択できるため、様々な用途に対応可能です。透明や耐熱性のある樹脂も利用できます。
  5. 医療や歯科分野での応用: SLAは、精度が求められる医療機器や歯科用モデル、さらにはカスタムフィットなインプラントや義歯の製作にも適しています。

SLAのデメリット

  • 材料コストが高い: 光硬化性樹脂はFDMのフィラメントに比べて高価です。また、消耗品の交換や後処理も手間がかかる場合があります。
  • 造形時間が長い: SLAは1層ごとにレーザーで硬化させるため、大きなモデルや高精度のモデルを作成する場合、時間がかかることがあります。
  • 後処理が必要: 造形後、未硬化の樹脂を洗浄したり、UV硬化を追加で行うなど、後処理が必要となることがあります。

      SLAは、その高い精度と滑らかな仕上がりから、プロトタイピングや医療分野、ジュエリー製作など、精密な造形が求められる用途で広く利用されています。

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